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ヘッド特殊改造

 通常、ヘッドを製作するといっても、ドールアイを使わない場合には、アイペイントにヘアカットくらいなものですが、場合によっては猫耳やエルフ耳、あるいは"マルチ"や"ちぃ"のようにヘッドに特殊なパーツを付けたい場合もでてきます。そのような場合に私が行っている方法を公開します。今回は猫耳を付ける場合を例にとります。


 ヘッドに特殊な改造をほどこす場合、一番のポイントは、ソフビヘッドをフリーザーで冷やすという点につきると思います。それでは詳しい説明を。

 ソフビヘッドは御存知のように柔軟性・弾力性のある素材でできています。通常はこれがメリットなのですが、ヘッドの特殊加工となると逆にこれがデメリットとなってしまいます。写真1をご覧ください。猫耳を付けようとして1.5ミリのピンバイスで穴をあけたのですが、素材の柔軟性・弾力性のために、ピンバイスの刃のサイズよりも小さな穴しかあきません。また、その切削面もきたないものとなっています。
 そこで、きれいに加工するためには、この柔軟性・弾力性を奪ってやればよいわけですが、その方法として簡単にできるのが、ソフビヘッドをフリーザーで冷やすという方法です。ソフビヘッドを汚れ防止のためにビニール袋に入れたうえで、冷蔵庫のフリーザーで3時間くらい冷やします。そうすると、面白いように柔軟性・弾力性が失われています。そこで、ピンバイスで穴をあける等の特殊加工を行います。
 写真2をご覧ください。これは同じヘッドで同じように1.5ミリのピンバイスで穴をあけたものです。写真1と比べてはるかにきれいに穴があいていることがお分かりになると思います。
 この加工をする時の注意点としては、加工は手早く行うこと。そうしないとソフビヘッドが常温に戻ってしまい、柔軟性・弾力性が復活してしまいます。

(写真1) (写真2)


 後はまあ、付け足しのような記事ですが、一応書いておきます(笑)
 エポキシパテで別に作った猫耳を用意します(写真3)。写真では写ってませんが、これに真鍮線を差し込んで、ヘッドに取り付けるためのジョイント(タボ)にします。

(写真3)


 そして、先ほど穴をあけたヘッドに取り付けてみたのが写真4です。こんな感じになります。本番では植毛ヘッドに取り付けることになるわけですが、そのときはゼリー状瞬間接着剤を使って固定します。

(写真5)


 この方法は、穴をあけるだけではなく、マルチ等のように耳の位置に特殊なパーツを着ける際、元々ある耳がじゃまで切り取る際にも応用できます。柔軟性・弾力性がある状態では、いくら鋭利なアートナイフ等を使ってもなかなかきれいに切り取ることはできませんが、この方法を使えばかなりきれいに切り取ることができるはずです。
 ソフビヘッドの切削で上手くいかずにお困りの方はぜひとも試してみてください。何しろ全然お金がかかりませんから(笑)


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