トップ (TOP) > ドール製作講座 > チークのパステルメイク


チークのパステルメイク

 ソフビヘッドにチークを入れる方法としては、薄めたリキテックスを綿棒で刷り込むようにする方法もありますが、ソフビ自体に吸収されてしまうんでしょうか、時間が経つにつれて全く見えなくなってしまいます。
 そこで、ここではパステルを使ってチークを入れる方法を解説します。髪の毛のマスキングが多少面倒ですが、これをクリアすれば、パステルの方が色調の調節、範囲やグラデーションのコントロールは上記の方法より楽だと思います。


 まず、アイペイントの終了した段階のヘッドの髪が邪魔にならないよう、ビニールタイで後ろにまとめておきます。


 次に、マスキングのための下準備に入ります。パステルメイクの下地作りと、パステルの定着のために、GSIクレオスのMr.スーパークリアーつや消し(以下、つや消しクリアー)を吹き付けますが、そのままでは植毛にかかってしまうため、マスキングを行います。上のようにレジ袋のマチの部分を使用します。別にレジ袋の開きを作ってもいいのですが、袋状になっている方が楽ですから。それと、使用するレジ袋は、ヘッドの大きさに合わせて使い分けてください。今回の作例はアゾンの05ヘッドですので、やや大きめのMサイズのものを使用しました。


 まず、レジ袋の取っ手の部分を切り取り(写真左)、その後で、マチの袋状になった部分を切り離します(写真右)


 袋を開いて形を整えたあと、完成後の袋の口に当たる部分にセロテープを貼ります。
 このとき気をつけるのは、テープの糊の面が袋の外側に向くようにします。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、後の写真と見比べて判断してください。要するに、袋が完成した時点で、テープが袋の外側に来るようにするんです。そうしないと植毛にくっつくおそれがありますので。


 次に、ゴムシャーリングなどに使うゴムカタン(極細のゴム紐)を適当な長さに切って、切り出したレジ袋の上に渡します。


 このゴム紐を包むようにしてレジ袋を折り込み、テープで留めます。


 できたら、これを元通り半分に折り(写真左)、細長い袋状になるようにセロテープで留めます(写真右)。長々と説明してきましたが、要するに、レジ袋を使って、細長い筒状の給食袋モドキを作っていたと考えていただければ結構です(笑)


 完成した袋をヘッドの生え際に沿うように被せて、ゴムを絞ると密着してマスキングが出来上がります。ここで、ゴムを結んでもいいのですが、私はテープで留めてしまってます。この方が手っ取り早いので。あと、余分な長さのゴム紐は切っておきましょう。
 まずこの段階で、1回つや消しクリアーを軽く吹いておきます。こうすると、ソフビヘッドの表面が適当にざらつき、パステルのくいつきが良くなるからです。


 次に、パステルメイクの準備です。150円ぐらいの安い面相筆や平筆で結構ですが、これの毛足を約半分ぐらいの長さに切ります(写真左)。そして、この穂先をライターで軽く炙って焦がすことにより、毛足の長さを整えます(写真右)。ライターで炙ったあとは指先で揉みほぐすようにして、焦げを落としておきます。軽く水洗いしておくといいでしょう。
 AFVのプラモデルなどを作っていた方にはおわかりかもしれませんが、ドライブラシに使うブラシを作るのと全く一緒です。
 1/6ドールのチークを入れるのに使うには、左側の面相筆だけで十分だと思います。平筆はケースバイケースで用意してください。


 使用するパステルは造形村の基本セットです。私は調色を覚えやすいよう写真のように、左からA〜Eとアルファベットを振っています。


 今回使用した調色は、B2:C2:E1ぐらいの割合で行いました。これらの割合になるよう、各パステルをカッターで削って粉末にし(写真左)、先ほど作った筆で混合して色を作ります(写真右)。これを適宜筆につけてソフビヘッドに擦りつけていきます。この加減ばかりは文章で説明するのは困難なので、各自で身につけてください(なんと投げやりな…(^◇^;))
 失敗したときや調色が気に入らないときは、画材店で売ってる練りゴムで取ることができますから、納得いくまでメイクしてください。


 この写真で分かりますでしょうか? ほんのり赤みがさすようにチークを入れたところです。
 このままでは取れてしまうので、このあともう1回、つや消しクリアーを吹き付けて定着させます。このとき、一度に多くの量のつや消しクリアーを吹き付けないでくださいね。せっかくつけたパステルが流れ出すおそれがあります。また、最悪の場合には、アイペイントのリキテックスまで溶け出すおそれがあります。軽くシュッと吹き付けて、表面が乾いたのを確認してからまた、シュッと吹き付けるぐらいの感じがいいと思います。
 半日ぐらい乾燥させてからマスキングを外してください。これでチークのパステルメイクは終了です。お疲れ様でした。



 トップ (TOP) > ドール製作講座 > チークのパステルメイク