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NEW−EBボディの首ジョイントの換装

 私は素体はもっぱらボークスのNEW−EBボディを使います。不満な点もわりとありますが、カスタマイズのベースとしては使い勝手がいいのでよく利用します。
 そして、この素体の一番の不満点は首ジョイントといえるでしょう。他のドールサイトさんでも首のジョイントの改造はさんざん紹介されていますが、ここでは私なりの改造方法を紹介させていただきます。なお、リューター等の特殊工具をお持ちでない方は、それらの工具を使用せずにできる首ジョイントの改造方法をこちらで紹介しておりますので、参考になさってみてください。


 まずはじめに、素体上部をネジをはずして分解します。なお、今回は次回製作のドールの都合で22センチ素体(ミニ素体)を使用しますが、やることは27センチ素体でもまったく同じです。
 分解すると首ジョイントの基部は写真1のようになっています。分解したら、まず胸側パーツ(写真右側)の棒状の部分をニッパーなどでできるだけ短く切断します。

(写真1)


 次に、ボールジョイントのメスを埋め込むことができるよう、リューターを使って、首ジョイントの内側の不要な出っ張りを削り取ります(写真2、3)。
 この作業は、彫刻刀などを使ってもできないことはないと思いますが、お勧めしません。この部分は細かい上に、素材のABS樹脂が硬く弾力性があるものであるため、大変危険だからです。

(写真2) (写真3)


 さて、埋め込むボールジョイントの準備です。使用するボールジョイントは、コトブキヤのモデリングサポートグッズシリーズのボールジョイントL。これのメス側を写真4のように両側の不要な部分を切断します。

(写真4)


 このように加工したボールジョイントのメス側を胸側のボディーパーツに固定します。まずゼリー状瞬間接着剤で仮止め程度に接着して、その後に隙間に通常の瞬間接着剤を流し込むと上手くいきます(写真5)。

(写真5)


 さらに、補強のためにエポキシパテで隙間を充填します。使用するのはウエーブのエポキシパテ軽量タイプ。これをヘラ等を使って隙間に少し多めに詰め込みます。その後、裏側にハンドクリームを予め塗っておいた背中側ボディーパーツと合体させます。このとき、指で強く押しつけて、エポキシパテが隅々まで充填されるようにします。こうしてパーツを輪ゴムやセロテープで固定しておいて、パテが硬化してから(約3時間後)、背中側ボディーパーツをはずすと写真6のようになります。

(写真6)


 これでメス側のジョイントは完成です。次にオス側のジョイントを作ります。
 まず田宮の透明プラ材5ミリパイプを用意します(写真7)。

(写真7)


 これを必要な長さに切断します。作例では約17ミリの長さに切断しました(写真8)。

(写真8)


 なお、この透明プラ材は比較的、扱いにくい性質で、ちょっと強引に切断しようとすると割れたり欠けたりします。できるだけ、刃の細かく薄いノコギリで切断するのがいいと思います。私は写真9のようにリューターに丸鋸アタッチメントを装着して切断しました。

(写真9)


 この切断したプラパイプに、ボールジョイントLのオス側を接着します(写真10)。接着には、あらかじめパイプの内側にゼリー状瞬間接着剤を出しておいて、そこにボールジョイントを挿入するようにすると上手くいきます。これで首ジョイントのオス側の完成です。
(この方法を採る以前は、5ミリのプラ棒に3ミリの穴をピンバイスであけて、そこにボールジョイントのオス側を接着していましたが、5ミリのプラ棒に3ミリの穴をピンバイスであけるのは結構難しく力がいったので、この方法に改訂させてもらいました。プラ棒の方がいいという方は、切断したプラ棒をテーブルバイスなどに固定して、ハンドドリルを使って穴をあければ上手くいくと思います。)

(写真10)


 これをボディー側(メス側)にはめ込んでみました(写真11、12)。これで改良版の首ジョイントの完成です。
 首ジョイントをこのように改造しておくとヘッドの着脱の際にヘッドにかかるストレスが低減されます。また、通常のジョイントよりも首を傾げたようなポーズをとらせるのも容易になります。

(写真11) (写真12)

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