カーム様製作日誌 ヘアカット編

 いよいよ最終段階です。アイペイントの終わった植毛ヘッドを使わない素体に仮にセットしてみます(写真1)。私が使っているのは、ボークスから以前発売されていた、全体がソフビの素体で、肩の関節だけしか動かないというマネキン同然の素体を使ってます(これ、安くて便利なんですが、今はもう発売されてないみたいです)。現在入手可能なものであれば、ボークスのエレガントコレクションの素体がいいと思います。関節の繋ぎ目もないので髪の細かい切りくずも入りませんから。
 27センチ素体に22センチ用のヘッドを付けるのは変ですが、あくまで仮ですので(笑)。
 取り付けたら、霧吹きで髪の毛全体を湿らせます。そして、櫛で梳いておいて髪の毛を整え、加えて余計な水分を落としておきます。

(写真1)


 カーム様はショートヘアなので、まず、写真2、3のようにばっさりと切ってしまいます。ばっさりと切るといっても、切りすぎると取り返しがつきませんので、最終的な髪の長さよりも長めにしておいてください。それなら調整は後からききますので。

(写真2) (写真3)


 なお、ばっさり切った後の髪は、私は写真4、5のように、束ねて保存しておきます。テグスで縛って結び目には瞬間接着剤を染み込ませ、端はホットメルト(グルーガン)で固めておきます。こうしておくと、ばらけずに保存しやすくなります。こうして採っておいた髪は、三つ編みにして付け毛にしたりして活用します(まあ、単なる貧乏性ですが(^^!)。

(写真4) (写真5)


 さて、このままでは、おかっぱ頭なのですが、カーム様のヘアスタイルはかなり不揃いになっていますので、透いていきます。透く方法としては、シャギーカット用のカミソリ内蔵の櫛を用いる方法とかもありますが、私は持っていないので、ハサミを縦に入れる方法を用います。写真6のように髪を梳いた方向と平行に、即ち縦にハサミを入れます。このとき、完全に平行にせず、気持ちナナメにするぐらいがちょうどいいかと思います。文章では説明するのが難しいのですが、実際にやってみて感を身につけてください(といって逃げる…)。また、ハサミを入れる深さも、広い間隔で深めに入れ、狭い間隔で浅めに入れるなど、強弱をつけるとわりと自然に仕上がります。

(写真6)


 後ろ髪だけまばらに透いてみました。こんな感じになります(写真7)。
 ちなみに、ヘアカットの使用しているハサミは、母がデコパージュ用に買ってきた手芸用のハサミを借りてそのまま使ってるので、どこのメーカーのものなのか分かりません。柄がオレンジ色でニワトリのマークが付いてます。

(写真7)


 これと同じ要領で、前髪も仕上げてください。切っている最中に、湿らせた髪が乾いて切りにくくなったら、櫛に水を含ませて梳くことにより水分を補給してください。そうするとまた髪がまとまって切りやすくなります。
 ヘアカットが終わるころには、髪の細かい切りかすが顔にいっぱいついていることと思います。これは、爪楊枝に両面テープを巻き付けて、カーペットの粘着クリーナーみたいな感じて取るときれいに取れます。アイペイントの部分にも張り付いていますが、これを取るときは、両面テープを巻き付けた爪楊枝を、一旦、自分の手の甲とかの皮膚上で転がして粘着力を落としておいてから使ってください。ここまできてアイペイントが剥がれたら泣くに泣けませんから。

 最後に耳の取り付けです。櫛やピンセットで取り付け部分の髪をどけておいてから丁寧に取り付けます。取り付けにはアロンアルファのゼリー状瞬間接着剤を使いました。これなら垂れませんし、また、はみ出して白く曇るようなこともないですから。接着剤を塗る際の注意は、チューブから耳に直接付けたりしないでください。出し過ぎて失敗したりします。ペーパーパレットの上などに一旦出して、そこから爪楊枝を使って耳のタボの真鍮線の周りに置くような感じで塗っていただくと上手く行くと思います。
 あと、耳をヘッドに差し込んだとき、ヘッドがへこんで、接着剤を塗ったところとヘッドとが上手く密着しない場合があります。このようなときは、首を差し込む穴から鶴首ピンセットを入れて、頭の裏から支えて押しつけるようにすると上手くいきます。
 これにてヘッドが完成しました(写真8 すいません、これも激しくピンぼけです<m(__)m>)。

(写真8)



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