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EB-mini素体の膝関節の改修

 ボークスのEB-mini素体は大変よくできた素体ですが、それでもいくつかの改修を必要とする部分があります。
 パーティングライン消しや隙間を瞬間接着剤で埋めるのは定番として、その他では首ジョイントの改修と、膝関節の改修があげられるでしょう。このページでは膝関節の改修を採り上げます。
 EB-mini素体の膝関節は、左右に回転するようにできているのですが、パーティングラインと接合部分の段差とのせいでスムーズに回転しません。その欠点を無くすのがこの改修の目的です。

1.膝関節の分解

 では、まず膝関節の分解から取りかかります。
 EB-mini素体の膝関節は写真1のように三つのパーツより構成されています。ここでは便宜上、A、B、Cと名前を付けることにします。
 今回の改修で問題となるのは、大腿部のパーツとAパーツとの取り付けなので、AパーツからBCパーツを取り外します。なお、今回、BCパーツは改修の対象とならないため、BパーツとCパーツとは分解しません。

(写真1)


 関節のパーツの隙間に入るように細く削った割り箸を写真2のようにAパーツの隙間に差し込みます。この状態でBパーツを矢印の方向に回すと簡単に外れます。私は以前、割り箸の代わりに鶴首ピンセットやドライバーを差し込んでいたのですが、これは止めた方がいいです。鶴首ピンセットやドライバーなどの硬いものを差し込んでこの作業を行ったところ、大腿部のパーツの方に傷が付いてしまいました。

(写真2)


 BCパーツを外すと写真3のような状態になります。

(写真3)


 次に、ネジを外して大腿部を分解します。これによって大腿部のパーツとAパーツとを分離することが可能となります。
 写真4が大腿部を分解した全体の状態、写真5が大腿部とAパーツとの接合部のアップになります。

(写真4)

(写真5)


2.改修作業

 写真6が分解して取り出したAパーツとなります。Aパーツの赤い丸で印を付けた部分(及び反対側)に比較的大きなパーティングラインがあります。そして、写真7は大腿部のAパーツが取り付けられる部分のアップですが、赤い丸で印を付けた部分(及び反対側)に大きな段差があります。このパーティングラインと段差とが引っかかって膝関節がスムーズに回転しないのです。

(写真6)

(写真7)


 それでは、この問題を解決するため、まずAパーツのパーティングラインを削り取ります。Aパーツはポリ系の素材でできているため、サンドペーパーやリューターは向きません。アートナイフで削り落とします。大腿部のパーツの方はABS樹脂製なのでリューターが使えます。私は邪魔くさいのでリューターで削りましたが、要は段差がなくなればいいのですから、大腿部を分解した状態でアートナイフで抉るように削り取ってもOKです。写真8が段差を削り取った後の写真です。お分かりになるでしょうか?赤丸印の部分を写真7と見比べてみてください。
 この状態になったら、さっきとは逆の順番で組み立てれば出来上がりです。改修後はスムーズに膝関節が回転します。これならロリ殺し座りも簡単にさせることができます(笑)

(写真8)

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